2015年 12月 09日
『生きることと考えること』 |
友人H氏の先日のブログに懐かしい名前を見出しました。
森有正のことですが、氏の著した『生きることと考えること』という本には、特別な思い出があります。
大学卒業を間近に控えた昭和49年の2月、私は5泊6日の山陰一人旅に出かけました。
旅の最初の宿泊地は城崎温泉と決めていましたので、夕刻現地に着いて早速、駅前の観光案内所に向かって宿の紹介をお願いしました。
ところが、当日は土曜日とあって温泉観光客でどの宿も満室ということでした。既に日も暮れて今更他処へ移動もできず、私はすっかり弱ってしまいました。
すると、困り果てた私を見かねた係の女性が、相部屋の素泊まりなら泊まれるという宿を探してくれました。こうなれば贅沢は言えませんので、二つ返事でお願いしましたが、よくよく考えてみると、私の方は大助かりでしたが、先約のお客にとっては迷惑な話ですよね。
紹介された宿に着いて案内をお願いすると、かなり狭い部屋(4畳半位?)に座っていた先客は私より4~5歳年上と思える若い男性でしたが、快く相部屋を承諾してくれました。
最初は慣れない相部屋での見知らぬ同士、なかなか話ができませんでしたが、お互いの自己紹介で話を切り出すと、先客はなんと大阪の女子高S蔭学園の先生だったんです。
そうこうして話し出すうちにすっかり打ち解けて意気投合し、「それじゃ外湯にでも入って夕飯を食べようか」ということになりいっしょに宿の外に出ました。
記憶が曖昧ですが、大谿川沿いの湯に入って近くで食事をしたと思います。
はっきりと憶えているのは、一杯入ったせいでしょう、旅の恥は掻き捨てとばかり、悪乗り気分で二人してストリップ小屋に入ったことです。(一人のおばさんが衣装だけ変えて繰り返し出ていました)
翌朝、別れ際に先生が旅の記念にと私に渡してくれたのがこの本なのです。
私の旅は、川端康成のようにロマンチックでペーソス漂う旅というわけではありませんでしたが、これはこれで決して忘れることのできない大切な思い出なのです。
森有正のことですが、氏の著した『生きることと考えること』という本には、特別な思い出があります。
大学卒業を間近に控えた昭和49年の2月、私は5泊6日の山陰一人旅に出かけました。
旅の最初の宿泊地は城崎温泉と決めていましたので、夕刻現地に着いて早速、駅前の観光案内所に向かって宿の紹介をお願いしました。
ところが、当日は土曜日とあって温泉観光客でどの宿も満室ということでした。既に日も暮れて今更他処へ移動もできず、私はすっかり弱ってしまいました。
すると、困り果てた私を見かねた係の女性が、相部屋の素泊まりなら泊まれるという宿を探してくれました。こうなれば贅沢は言えませんので、二つ返事でお願いしましたが、よくよく考えてみると、私の方は大助かりでしたが、先約のお客にとっては迷惑な話ですよね。
紹介された宿に着いて案内をお願いすると、かなり狭い部屋(4畳半位?)に座っていた先客は私より4~5歳年上と思える若い男性でしたが、快く相部屋を承諾してくれました。
最初は慣れない相部屋での見知らぬ同士、なかなか話ができませんでしたが、お互いの自己紹介で話を切り出すと、先客はなんと大阪の女子高S蔭学園の先生だったんです。
そうこうして話し出すうちにすっかり打ち解けて意気投合し、「それじゃ外湯にでも入って夕飯を食べようか」ということになりいっしょに宿の外に出ました。
記憶が曖昧ですが、大谿川沿いの湯に入って近くで食事をしたと思います。
はっきりと憶えているのは、一杯入ったせいでしょう、旅の恥は掻き捨てとばかり、悪乗り気分で二人してストリップ小屋に入ったことです。(一人のおばさんが衣装だけ変えて繰り返し出ていました)
翌朝、別れ際に先生が旅の記念にと私に渡してくれたのがこの本なのです。
私の旅は、川端康成のようにロマンチックでペーソス漂う旅というわけではありませんでしたが、これはこれで決して忘れることのできない大切な思い出なのです。
by ikemoto04lp
| 2015-12-09 08:20
| 本
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Comments(2)
Commented
by
ikuohasegawa at 2015-12-10 05:52
読んでいる本に為書きをしてプレゼントされる。しかも「城崎にて」いい感じの思い出ですね。
好みの問題ですが、小屋の件は書かずもがな。
好みの問題ですが、小屋の件は書かずもがな。
0
Commented
by
ikemoto04lp at 2015-12-10 08:33
志賀直哉の作品のイメージを壊すかもしれないと、私も入れるかどうか悩みましたが、内容はともかく青春ページの一頁として大切にしている思い出なので、敢えて入れた次第です。
表現力がもう少し豊かであったならと思います。
表現力がもう少し豊かであったならと思います。